ゴルフは「足し算」のスポーツと言いますが、マラソンはゴルフ以上に足し算で逆転の無いシビアなスポーツだと考えています。
反面、事前の対策がしっかりできていれば、狙った結果を残しやすいスポーツでもあります。言い換えれば、「段取り八分」もしくは「運要素の少ない少ないスポーツ」だと私は考えています。
かく言う私もマラソンにチャレンジしてきた中で、数々の失敗経験を持っていますが、その経験があったからこそ、一つずつ目標をクリアできてきたものと考えています。
今回は、私の体験した3つの失敗談を紹介いたします。
10kmだと思って走っていた距離が実は9km
コミュニケーションの一環として趣味はランニングと答えた時、相手から一番多い問いは「長い時間走ってヒマじゃない?」。
私自身、今でもランニング中に退屈と感じることはあるため、ジョグや距離走の際には音楽を聴きながら走っています。
初めてのフルマラソンに挑む際には、練習のお供として「ipod nano」を愛用していました。音楽も聴きながら走行距離も計測できて一石二鳥。ただし、GPS機能はついていなかったので、距離計測については参考程度と考えていました。
練習開始以後、自分で思っていた以上の練習を積むことができ、個人的には「初フルマラソンで3時間30分切れるんじゃない?」という期待感。本番のレースでもペース感覚を掴むために、練習の時と同様、「ipod nano」を手に準備。一緒に参加した友人には謙遜しながらも、良いタイムを出して驚かせてやろうと意気揚々と走り出しました。
手元の時計で1キロ通過も文句なし、気持ちよく走れている!と考えていたのも束の間、コース上の1km表示の看板がなかなか見えてこない。
・・・最初の1キロ時点で手元の表示が100メートル以上短く表示されている。
エラーかなと淡い期待を持ちましたが、大体同じような間隔でズレていく。その後に勘付いた1つの疑問。
「今までの練習も実際より遥かに短い距離表示だったのでは。。。」
田舎の農道やロードを中心に練習してきたため、距離感は完全にipod頼りでした。今思えば、どういう根拠で、そこまで信頼していたのか。
序盤も序盤で心がぽっきり。
ハーフまでは粘るも、以降はランニングとウォーキングの繰り返し。練習の中では、5キロラップは余裕で25分を切れていたのに、本番では全く及ばず。そりゃだって、今まで思ってた5キロは、実は4.5キロしか無かったのだから。
初めて20km以上を走った日、想定以上のペースで走り切れた(と思っていた)ことが嬉しく直撮りした写真を晒します。実際の距離はこの9割(21.4km)だったとすると、1kmあたりのペースは5分15秒。その差30秒!
本番当日にゴールを迎えた時のipodの表示は47キロを超えていました。
「機器を頼りすぎない」「距離に対する認識を正確に持つ」。初フルマラソンはなんとも苦い経験となりました。
GPS機能が付いた時計を購入する
タイムを狙って走るためには絶対必要なアイテムです。タイムを狙わない方でも、普段の練習の目安や記録を残していくためにも使っていくべきアイテムだと思います。
安いものでも1万円程度、高いものであれば5万円も平気で超えてくるなど高価なアイテムではありますが、長い目で見れば費用対効果の高いアイテムです。
ただ、いくらGPSと言ってもコース取り(走路)によってはどうしても公式な距離表示よりは長い距離を走ってしまいます。可能であれば、トラックでの練習も取り入れてみるなど、日頃から距離感を養う練習も行ってみましょう。
暴れだす補給食
初フルマラソンの苦い経験を経て、ハーフマラソンの大会への出場を重ねるなど徐々にステップアップ。初フルマラソンから丁度2年後に迎えた2回目のフルマラソンでは、ネットタイムで3時間6分。ここまで来たらサブスリー、とやる気スイッチオン。
2回目のフルマラソンでは、皆さんお馴染み「30kmの壁」にやられてしまい、この時は完全にエネルギー不足と考えていました。
本当に無知ながらよく走っていたなと感じるのですが、ジェル等の補給食を全く携帯していませんでした。
この反省を活かすとともに、勿論練習もしっかりと積み、2回目のフルマラソンから約4ヶ月後には3回目のフルマラソン。補給食であるジェルも2つ携帯し、明確にサブスリーを目標としたレースが始まりました。
異変を感じたのは、スタートから5秒後。
ハーフパンツのポケットに携帯したジェルが暴れている。
もう最悪です。走りを助長するどころか妨害するジェル。キャップを被っていたため、頭とキャップの間にしまうことも試しましたが、全く収まらない。止む無く両手に持ちながら走り続けるも、絶妙な重さ加減が腕振りの邪魔になる状態。
もうこうなったら仕方ない、次に取った行動は「今すぐジェルを摂取する」。最初の2km地点くらいで1つ目のジェルを口にした所、2つ目のトラブル。
このジェル、まずい。
ジェルがこんなにまずいものだったとは。ぶっつけ本番での使用がミスを重ねました。ベトベトして気持ち悪いし、まだまだ給水所も見えてこない。
ジェルが1つ減り少しは楽にはなったものの、それでも手に持って走るのは性に合わない。8km地点には2つ目のジェルも飲み切っていました。
序盤に想定外のミスが重なり、結局は25km以降に失速。シンプルに調整不足な点もあったかとは思いますが、あの時の動揺といったらもう。
結局、サブスリーにはほど遠いタイムでフィニッシュを迎え、モヤモヤ感を残したままシーズンを終えました。
当日の装備で走ってみる
冒頭の繰り返しになりますが、マラソンは段取り八分の競技と捉えています。走り出してからあたふたしないためにも、事前の準備はしっかりと行いましょう。具体的には以下の項目に気を付けてみてください。
- 初めて着用するユニフォームでは無いか
- 初めて使用するシューズでは無いか
- 初めて使用するジェルでは無いか
- ジェルやスマートフォンを携帯して走っても不快感は無いか
ウォーターローディング?
「どうしてもサブスリーを達成したい!」
新たなシーズンで迎えた4回目のフルマラソン。今まで以上に練習も重ねて来た自信から、しっかり調整できれば3時間は切れるだろうと考えていました。
私はここで、過去最大に間違った調整を行ってしまいました。
「レース前の1週間から極力水分を摂取しない」
今、考えると無知にも程があります。
自己ベストの3時間6分で走り切れたレースでは、途中で2回もトイレにいくというロスがありました。
普段から、人と比べてもトイレが近い方でコーヒーも好き。でもサブスリーを達成するためにはトイレの時間が惜しすぎる。そうだ、一切の水分を控えよう。
結果としては、10kmから身体の重さを感じ、なんとかハーフまで粘るも、以降は完全に身体が動かなくなり、初めて「脚がつる」という体験をしました。今回もサブスリーに遠く及ばずの結果となりました。
練習はしっかりできていたという自信があったにも関わらず、生まれて初めて脚がつるというトラブルが悔しくて悔しくて。レースが終わってすぐにその原因をネットで探しました。
「脚がつる原因その1:水分やミネラルの不足」
身体は正直、ネットの情報も大事だなと改めて思いました。この時に初めて「ウォーターローディング」という言葉を知り、レースのための体調管理には「水分補給」が極めて重要であるということを学びました。無知は罪ですねー。
日頃から小まめな水分補給を
レース前に水分補給を控える行為はもってのほかです。
私はこの経験後、調整期間もそうですが、ハーフマラソン、フルマラソン何れにしても、全ての給水所で給水を取るようにしました。さすがにコップ一杯全てを飲み切るということはないですが、少しずつでも補給を続けています。
こちらでは説明を行いませんが、興味のある方は「ウォーターローディング」についても調べてみてください。
コメントを残す