【レースレビュー】私的、関西圏フルマラソンの比較

趣味の一環として始めたランニング。気がつけば、関西圏の様々なフルマラソンを走っていました。そんな私から見た、それぞれの大会の簡単な比較をしてみました。今後参加する大会を検討されている方は参考にしていただければ!

★比較早見表★

時期参加者数記録狙いファンラン
神戸マラソン11月3週20,000人34
福知山マラソン 11月4週10,000人33
大阪マラソン12月1週33,000人45
奈良マラソン12月2週16,000人25
加古川マラソン12月4週5,500人2
京都マラソン2月3週16,000人35
姫路城マラソン2月4週12,000人53
丹波篠山ABCマラソン3月1週9,000人33

※「記録」「ファンラン」は5段階評価で「5」が適している、「1」が適していない

神戸マラソン

記録狙い

神戸市役所前をスタート、ポートアイランドでゴール。本コース最大の難所として、「150メートル進むだけで高さが10メートル上がる」37km地点の浜手バイパスが有名ではありますが、そこにたどり着くまでの道のりも、細かいアップダウンが続くコースとなっています。

また開催時期も他のレースと比べて早く、大会によっては20℃を超えるコンディションであったりと、神戸マラソンで記録を狙うためには入念な準備が必要と感じています。

神戸マラソンについては、別記事に細かくコースレビューを記載していますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

ファンラン

他の大会と比べるとシンプルな往復コースではありますが、見所がいっぱいのコースとなっています。7km地点の鉄人28号モニュメント、10kmからの海沿いコース、中盤を超えてからは須磨海浜水族園やノエビアスタジアム。そして、苦しい浜手バイパスを上り切った40km地点では、神戸マラソンでしか立ち入ることのできない神戸大橋からの絶景。個人的に神戸マラソンは記録重視で走って来ましたが、こうして振り返ってみると楽しみどころ満載のコースですね。

福知山マラソン

記録狙い

細かいアップダウンはあるものの割とフラットなコース。と思いきや最後の最後、1kmで40mを駆け上ります。マラソン上級者でなければ、この上りは中々絶望モノ。私の初マラソンが福知山マラソンで、もう少し頑張れば5時間切れるという所でしたが、坂を目前にした瞬間、身体に感じていなかった疲れが一気に現れ、5時間切りは諦め歩いてフィニッシュ。

福知山マラソンで記録を狙うのであれば、他のレース以上にしっかりとした練習を積み、コースの予習、戦略を立てた上で挑む必要がありそうです。

ファンラン

他の都市型マラソンと比べると、どうしても落ち着いた景色が続き、走ることと向き合う時間帯が多いマラソン大会です。

だからこそ、沿道の声援がとても嬉しい大会であり、特に私設エイドのコーラは本当に美味しかったことを覚えています。

私が一番感動したのは、最後の一番苦しい激坂を、地元の子供たちが一緒に駆け上ってくれる点です。当時、私がその場面に出会したのはスタートから5時間ほどの時間帯。子供によっては、もう既に何往復としているのではないでしょうか。それにも関わらず元気な声で応援、笑顔で一緒に走ってくれるのです。私は小恥ずかしかったので、一人で走ってしまいましたが、近くで見ていてウルウルと来てしまいました。

他には、エントリーが10月に開始される点、当日受付がある点などが特徴的、且つ他の大会と比べて優位な点かなと思います。

大阪マラソン

記録狙い

私が走ったのは2019年、新コースになって初めての大会でした。この大会での私の目標は「無理なく、楽しく」。というのも、180度の折り返しが5回と、30km前後には大きなアップダウンがあったことから、勝手に記録は出にくい(出しにくい)大会ではないかと考えていました。

しかし実際は、折り返しの幅も広く苦にならず、30km前後のアップダウンも他の大会と比べると緩やかなもので、凄く走りやすいコースという印象を受けました。

ファンラン

東京マラソンに次ぐ参加者数、関西では最大のフルマラソン大会であり、沿道の応援も途切れることがありません。大阪城公園の発着もアクセスが良く、マラソン前後の観光も楽しみやすくなりました。

特に御堂筋の中央を堂々と走ることの気持ちよさは、実際に走る方にしか表現できないでしょう。

一方で気になる点としては、ランナーの待ち合わせエリア、イベントエリアがグラウンドであったため、雨が降った際などは足下が大変になるのでは?と感じています。

大阪マラソンについては別途詳細記事を掲載していますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

奈良マラソン

記録狙い

正直、記録を狙う大会ではありません。2018年大会を走った手元のガーミンの記録が以下の通りです。40m級を上り下り、90m級を上り下り、もう一度90m級を上り下りをして、再度40m級を上り下り、トドメに終着の競技場に向かう道も結構な上りとなっています。公式の高低図はもう少し緩やかでしたが。。。

私が参加した時は、完全にトレーニングの位置づけで参加しました。予めある程度の想定を持って挑んだものの、18kmあたりからの強烈な下りには流石に足が震えました。「帰りはこの坂を上ってくるんだよな。。。」と。

また、開催時期が12月中頃ということで、中々冷えた記憶があります。防寒対策にも気を配って参加しましょう。

ファンラン

記録狙いとしては難があるコースですが、反面、ここまで起伏に富んだコースは走りごたえタップリです。自己記録の達成を目指したレースではありませんでしたが、「走り切った!」という達成感が非常に強い大会となりました。

トレーニングの位置づけとして参加した一方、自身に課したミッションは「ぜんざいを食べる」こと。25km過ぎの甘味処、ここばかりはしっかり立ち止まって食する。当日の寒さも相まって本当に美味しかった。指先まで温まるようなパワーをいただき、後半頑張ることができました。

そして、なんといっても世界屈指の観光スポット、奈良。私もマラソンで初めて訪れた地でありますが、初めて目にする建築物の数々や風情に圧倒されました。特に天理のあたりは独特の雰囲気で、ゆっくり景色を楽しみながら走るべきかなと。

もちろん、声援も熱い。特に20km手前、30km過ぎのキヨシロウさんは要チェック。行きも帰りもランナーを歌いながら励ましてくれ、元気と笑顔を与えてくれます。

番外編として、本番の1ヶ月前には、コースを試走するとオリジナルグッズが貰えるという裏イベントも開催されているようです。参加可能で興味のある方はぜひ!

■奈良マラソン実行委員会
facebook

加古川マラソン

記録狙い

整備された河川敷を走るコース。参加人数も多くはなく、集中して走ることができますが、自身のペースに合う集団を見つけることは難しいかもしれません。

また、どうしても他のレースと比べると沿道の声援も少なく、自身の精神力が試されます。

私が走った2018年大会はそうでも無かったのですが、河川敷ということもあり強風に悩まされることも想定できます。この河川敷では頻繁にレースや練習会があり、私もたまに参加させていただくのですが、風が強い日もあり、心が挫けた経験も。。。

精神的に強く、一人で淡々とラップを刻むことが得意な方は、記録狙いで参加されてみてはいかがかと思います。

ファンラン

都市型マラソンには無い、地元の方の手作り感、優しさを感じることのできる大会です。規模は決して大きく無いですが、それでいてしっかりと日本陸連の公認コースなのです。

フルマラソンに興味はあるけど、敷居が高いと感じる方は、加古川マラソンからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。参加料も8,000円(2019年)と、他の大会と比べると若干お値打ち価格!

京都マラソン

記録狙い

自己記録を狙う大会として2019年に参加しましたが、結果は惨敗でした。当時の振り返りとしては、調整不足が原因と分析しています。

最大高低差が80m弱はあるでしょうが、個人的にはそこまで気になる高低差ではありませんでした。スタートから、最高高度を迎える17km地点までゆっくりと上って行くようなコース。

個人的にイヤだな、と感じた箇所は30km前後の河川敷。割と砂利道が続いていて走りにくく、シューズが痛むのがイヤだなー、と思いながら走りました。

自己記録の更新はならなかったものの、ネガテイブスプリットで走りきることができたので、しっかりと調整できれば記録も望めるコースだと感じています。

ファンラン

奈良と同様、さすが観光の町、京都と言った所でしょうか。お寺がいっぱい、街並みが綺麗、テレビで見たあの河川敷、と風情しかありません。

個人的にはスタートとゴールが別となるコースに魅力を感じるのですが、京都も発着が異なるコースとなっています。もちろん、折り返しコースの良い点もたくさんあるのですが、京都は本当に色んな場所を走ることができるので、そこが大きな魅力かなと思います。

姫路城マラソン

記録狙い

7日前に京都マラソンを完走し、ほとんど記録を意識せずに挑んだレースでしたが、結果として当時の記録を5分近く縮めることができたのが、姫路城マラソンでした。後から調べてみると、多くのかたがこの姫路城マラソンで自己記録を更新されている様子。

以下は実際に走った私のガーミンの記録です。最大高低差が70m程度あるのですが、序盤から一定の勾配で16kmゆっくりと上っていくコースのため、思っている以上に上りの感覚を感じずに走ることが出来たんです。また、とは言っても上りなので、無理な突っ込みを自然に抑えることが出来て、16kmから30km過ぎにかけてはゆっくりと気持ちよく下っていく。

下りも落ち着きゴールまであと10km。終盤にもう一山あるのですが、ここがまた凄い。沿道の声援が物凄く至近距離。フルマラソン、ハーフマラソン含め20本以上を経験してきましたが、最短距離。ここまで元気を貰えたら、残りは気合でゴールまで持っていくっきゃ無い、という経緯で、レース前には想定していなかった自己記録更新を達成。

フルマラソンでこんなに綺麗な高度記録、なかなかお目にかかれないのでは無いでしょうか。ロードでの42.195kではアップダウンを避けては通れません。姫路のコースは上る時は上る、下る時は下る、そのメリハリの良さが好記録に繋がったものと考えています。

ファンラン

なんと言っても、世界遺産、姫路城発着の豪華コース。個人的にはスタートとゴールが別場所の方が好きではありますが、姫路城マラソンはこれが正解だと思います。(「姫路城」マラソンですからね)

2019年は高橋尚子さんが大会ゲストでしたが、これは恒例ではなく特別だったのかな。スタート前のアツい檄は、気合が注入されること間違い無し。高橋尚子さんは、ファンランの部でも最終走者と伴走、フルマラソンの部でもゴール手前からゴールまでを何往復も伴走してくれて、一生の思い出ものです。

そして、先にも少し取り上げましたが、ラン中の最大のアピールポイントは、30km付近から約5kmほど続くサイクリングロードです。道幅が非常に狭くなるのですが、その分、沿道からの声援がめちゃくちゃ近い。一番疲れが出てくるこのタイミングでの至近距離からの応援は、本当に励みになりました。

丹波篠山ABCマラソン

記録狙い

陸連登録者と一般の部でスタート時間が別れているため、ガチ寄りな方は、スタート時の混雑が少なく、気持ちの良いスタートが切れるかと思います。

また、最大の特徴としては15km地点と30km地点でスペシャルドリンクを設置することが出来ます。(2020年・登録の部のみ)過去の大会で私は設置しませんでしたが、受け取り時には相当混雑している様子が見受けられましたので、要注意です。これをやると決めた運営さんは凄い!

コースは最大高低差が50mで細かいアップダウンが続く難コース。高低図では30km以降は下り基調と見て取れますが、個人的には細かいアップダウンが続いて苦しめられた記憶が残っています。

また、3月上旬の開催となり、気温には要注意です。私が走った2018年は朝から20℃近い気温で大変な思いをしましたが、年度によっては雪が降りしきり凍えるような寒さだったとか。篠山に限った話ではありませんが、事前の心づもりが必要かと思います。

ファンラン

丹波篠山ABCマラソンの給食と言えば「しし汁」。コース内、フィニッシュ地点でも振る舞われるそうです。私が参加した時は、撃沈してとぼとぼ歩いている所で振る舞っていただき、再度やる気を注入した記憶があります。

都市型マラソンの様な華やかな雰囲気は薄いですが、ハーフあたりでは地元の高校生による吹奏楽での応援があったりと、地方ながら温かみのある大会運営で、気持ちよく走りきることができると思います。

私が一番印象的だったのは、ゴール後のお風呂。なんと無料で入浴させていただけたのですが、お風呂への最後の関門が写真の通りの激坂。それでももちろん、お風呂は満員御礼。この階段を上りきって、しっかりお風呂で疲れを癒すまでが、丹波笹山ABCマラソンです。

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