【レビュー】ヴェイパーフライ ネクスト%でレースに挑んだ結果

ヴェイパーフライ ネクスト%

MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で多くの選手が履いていたピンクのシューズ。今や、スピードを求める多くの市民ランナーもこぞって手にする一足。今からでも遅く無い(はず)、フルマラソンを走り切ったからこそできる、ヴェイパーフライ ネクスト%の個人的レビュー。専門的な言葉や論理的な話ではなく、感覚的な話になってしまいますがご容赦を。

ランニングシューズの概念が変わる

私が初めて「ヴェイパー」シリーズを手にしたのは、「フライニット」バージョンでした。私の個人的な感想としては、「軽くなったズームフライ」。自身の走力か、はたまた走り方に問題があるのか、自身にとってずば抜けて良いシューズという印象は持ちませんでした。初めてズームフライを履いた時の感動というか衝撃は今でも忘れませんが、そのズームフライシリーズを1年以上履き続けていた上でのヴェイパーフライであったことも、感動が薄れた要因の一つかもしれません。ただ、大前提としてズームフライが凄く良いシューズであり、そのズームフライが軽くなったというだけでも強力な強みであり、現在でも重要なポイント練習では大いに役立っています。

そして「ヴェイパーフライ ネクスト%」(以下、ネクスト)。このシューズは、ズームフライ、またこれまでのヴェイパーフライとは全く異なるシューズと言えます。個人的にはヴェイパーフライでほとんど感じることのできなかった「バネ感」を、非常に強く感じるシューズです。以下、レースを通じて感じた点を紹介していきます。

ハーフマラソンを走ってみた

私がネクストを手にした一番の理由は、「フルマラソンで2時間45分を切る」ことでした。フルマラソンでしっかりと走り切るためにも、まずはハーフマラソン、「舞鶴赤れんがハーフマラソン(19/10/14)」「京都丹波ロードレース大会(19/11/3)」をネクストで走ってきました。

【舞鶴赤れんがハーフマラソン】1時間17分10秒(PB)
前半に大きなアップダウン、後半にも細かなアップダウンのあるコース。前世代のヴェイパーフライは「坂道に弱い」と言われており、箱根駅伝で選手のほとんどがヴェイパーフライを履くチームでも、上り下りの激しい5区・6区においてはヴェイパーフライを履かない選手も見受けられました。正直、個人的にはその感覚は全くわからないです。ヴェイパーであろうがなかろうが、上りは苦しい!

ネクストと他のシューズを比較した時に、私が一番「ここが違う」と感じる点は、前足部分のホールド感と反発です。これは表現がとても難しいのですが、足の形にピッタリ合うという意味ではなくて、しっかりと包み込んでくれるという表現でしょうか。とにかく、着地した時の前足の感覚がソフトで気持ちが良いのです。そして蹴り出す瞬間、ここも蹴り出すというよりは、着地した時のエネルギーでそのまま前に押し出してくれる(ネクストの力で)という感覚があります。そうか、これが反発か!と個人的には勝手な解釈をしています。前ヴェイパーでは感じることのできなかったこの感覚をネクストでは大いに感じることができました。

レースプランとしては1km3分40秒のペースで行ける所まで。10km過ぎまではアップダウンも含めてイーブンペースで、後半もしっかり余裕があったのでちょい上げでしっかりと走り切ることができました。夏場にしっかりトレーニングを積んだという自負もありますが、ネクストの力もあり2分近くPBを更新することができました。

一番驚いたのは次の日の脚の状態。しっかり走り切ったにも関わらず、脚の重さが全く無い。「全く」です。レースから2日後にはしっかりとポイント練を積むことができました。こうして負荷の高い練習を短いスパンで行うことができるのも、ネクストの恩恵と考えています。

また、サイズ感についてですが、フライニットシリーズよりは1サイズ上をチョイスした方がしっくりきています。参考までに、私のシューズのサイズ表を掲載いたします。

シューズサイズ
ヴェイパーフライ ネクスト%27.0
ヴェイパーフライ4% フライニット26.5
ズームフライ フライニット26.5
ズームストリーク27.0
takumi sen(アディダス)27.0
HANZO S(ニューバランス)26.5

【京都丹波ロードレース】1時間16分36秒(PB)
前レースの舞鶴以上にアップダウンの繰り返しとなるコース。ここでも、「ネクストだから走りにくい」という印象は全く持ちませんでした。

この日は、2週間後の神戸マラソンの調整としてのイメージで、前回同様1km3分40秒のペースで走り切ることがテーマ。ですが調整を少し失敗してしまい、脚が若干重い状態でスタート。5km地点にはペースを落として走ろうかなと考えていました。しかし集団で走っていたということもあり、もう少し粘ってみようと決意。前回のレースで感じた「着地した時のエネルギーでそのまま前に押し出してくれる」という、完全にシューズの恩恵を意識しながら走ると、イーブンペースで粘ることができ、気がつけばゴールまでもう少し。本当にシューズが運んで行ってくれたという感覚でした。

そしてゴール直前。ゴールは陸上競技場のトラックを半周程度だったのですが、ネクストで初めてタータンの上を走ってビックリ。今までに感じていた倍以上の反発を貰って走っているような感覚が。このレースは疲れに疲れて、正常な判断はできていないかもしれませんが(え)、普段タータンの上で走らない私にとって、衝撃的でした。別の表現であれば、フカフカのじゅうたんの上を、反発を貰いながら走っているような。。。ネクストとタータンでタイムトライアルしてみたいな。

本レースでもダメージは残っておらず、翌日はアクティブレストとして14kmのジョグを余裕を持って行うことができました。

フルマラソンを走ってみた

【神戸マラソン2019】2時間43分43秒(PB)
レース展開等の詳細は単独記事をあげていますので、そちらをご覧ください。

さて、ネクストの使用感に絞って話をいたしますと、フルマラソンを走り切るにはしっかりと履きこなす(トレーニングを積む)必要がある、印象を受けました。

ネクストで初めて30km以上の距離を走りましたが、特に35km以降は、今までのフルマラソンで感じることのなかった、両足のスネ、ふくらはぎや太ももの張りを顕著に感じました。幸い大きなトラブルには至りませんでしたが、ゴール後の移動で両方のふくらはぎをつる初めての経験。

また、走り終わった2時間後には、これまた初めての経験となる相当な腰痛に襲われました。楽に走れているつもり、フォームも変えずに走っているつもりでも、知らずの内に、今までは使わなかった筋肉を使った走りになるのでしょうか。

また翌日以降の疲労感も、ハーフマラソンの翌日と比べると別物で、3日間の完全休養を経てもまだ脚に重さが残る状態でした。昨シーズンでもレース後にここまで大きな疲れを感じることがなかったので、少し驚いています。(他の方はそこまででは無いようですが)

あくまで私的なまとめ

  • 短い距離であれば、シューズの推進力を頼って走ることができる
  • 長い距離で使いこなすには、ネクストを走る為のトレーニングが必要である

「短い距離」「長い距離」は、それぞれの練習量によって変わってきますが、私の現在の練習量では、ハーフとそれ以降の距離と考えています。短い距離でも、ある程度の練習が積めていることが前提です。また、ネクストで長い距離をしっかりと走り切る為には、ネクストに合わせた走り方を習得する必要があるというよりも、ふくらはぎや太もも、また体幹を意識した筋力トレーニングを積む必要性があると感じました。

本当に素晴らしいシューズであり、私にとって、記録を狙っていく為には必要不可欠なシューズであるという認識を得ています。ネクストでより効率的な走りができる様、トレーニングの内容も考えながら、取り組んでいきたいと考えています。

少しでもお得に入手するためには?

旧モデルは流通量が非常に少なく、フリマサイト等でも定価以上の価格でバンバン取引されていましたが、本モデルは定価で入手することができます。とは言っても高価格。2019年10月には消費税の増税もあり、税込みで30,250円。マラソンに情熱を注いでいる人でも、なかなか手を出しづらい価格となっています。

私は発売当初、ナイキの公式サイトで購入しました。ヴェイパーフライ フライニットと同じサイズの26.5センチを購入しましたが、若干小さく、指の部分や足の甲に圧迫感があり、長距離は走れないと感じました。現在、ナイキの公式サイトからの購入であれば、7日間の返品ポリシー適用商品となっていますので、通販で購入される方はぜひ公式サイトから購入されるのが一番良いと思います。

また楽天のショッピングアプリを見てみると、期間限定ではありましたが、某スポーツショップでネクストを対象に大きなポイント還元(4,455ポイント)があったため、2足目となる27センチを購入。かなりお得に購入することができました。旧モデルよりも供給が多いであろう本モデル、不定期ではありますがこうしたチャンスもある様ですので、こまめに情報チェックしていただくことをお勧めいたします。

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