ハーフマラソンで90分切りを達成した次のステップとして、またフルマラソンでのサブスリーやサブエガ(2時間50分切り)を目指すためのステップとして、ハーフマラソンでの80分切り(70分代)を目指す方も多いのではないでしょうか。
80分切りを達成するためのペース
ハーフマラソンで80分切りを達成するためには、「3’47″52」のペースで走り切ることが一つの基準となります。
しかし実際のレースにおいては、ぴったりの距離ということはあり得なく、最短距離で走ることを意識していたとしても長い距離となってしまうことがほとんどであるため、80分切りを達成するためには「3’45″/km」という数字を意識しておく必要があるでしょう。
80分切りを達成するための基準
80分切りに限らず、目標タイムの達成を目指すにあたっては、まずは現在のポジションを確認することが大事だと考えています。
ハーフマラソンで80分切りを目標とされる方ともあれば、ランナーの中でも上級者にあたるかと思いますし、何らかのタイムを持っておられるかと思います。
以下のVDOT表において、改めて自身のポジションを確認してみましょう。
私自身、何も知識を入れずにひたすらにタイムを追っていた時期には、こんな表も何も知らぬままに練習を行なっていました。
VDOTは長距離の実力レベルと考えていただければと思います。
これで言いますと、ハーフマラソンで80分切りを達成するためには、レベル58から59の走力が必要ということがわかります。
横並びのタイムは「同等の実力」ともされており、例えば、「ハーフマラソンで80分切りの実力があれば、3000mでは10分前後で走れる走力もある」、そして裏を返せば、ハーフマラソンで80分を切るためには、【3000mで10分を切るくらいの走力が必要】とも言えます。
個人的には、この考え方が非常に重要であると考えています。
もちろん、この表の中でも、長い距離の方が得意、苦手というタイプがあるかと思います。
私自身、ハーフマラソン以下の持ちタイムに比べて、フルマラソンの持ちタイムが遅いという状況です。
まずは、自身の持ちタイムを基としたVDOT表により現在地を確認した上で、80分切りに向けたトレーニングの方法について考えていきましょう。
練習に取り組むための考え方
ハーフマラソンでの80分切りを最大の目標とした時、練習の中で常に意識していきたい点は次の2つです。
①「3’45″/km」のペースに余裕を持つ
②「80分」という時間を意識する
①「3’45″/km」のペースに余裕を持つ
力一杯、100メートルを走って20秒かかる人が、200メートルを40秒で走ることはできません。
同様に、1kmを3’45″でいっぱいいっぱいの人が、ハーフマラソンを3’45/kmのペースで走り切ることはできません。
現時点でここに対する余裕がない人は、基礎的なスピードを磨いていく練習に取り組んでいくべきです。
代表的な練習としては、200mや400mといった短い距離のインターバルが挙げられます。
②「80分」という時間を意識する
①とは逆に、スピードにはある程度余裕はあるが、長い時間持たないという方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめの練習としては、「80分間走」です。
この練習については、スピードは全く求めておらず、意識する点は「80分間かけて走る、身体を動かし続ける」ということです。
時間のかかる練習なので気軽に取り組むことは難しいかもしれませんが、特にハーフマラソン以上の距離が苦手という方には効果的な練習と考えています。
この練習を日々の練習の中で取り入れることが難しい場合でも、一度、「距離を踏む」というよりも「時間をかける」という考え方を取り入れてみることをお勧めします。
個人的には、「10kmを50分で走る」よりも、「距離を気にせず60分間走る」方が持久力の強化に繋がると考えています。
具体的な練習例とスケジュール
ご参考までに、私が80分切りを達成した直前3ヶ月の中心メニューを書き出してみます。
なお、1週間のうち3回から4回の練習と、月間走行距離は200kmから250km程度です。
①スピード系
・500m×10本(設定:100秒、レストは250mを100秒)
・1000m×5本(設定:3’30″/km、レストは500mを3分30秒)
②持久力系
・15kmから30km
当時はフルマラソンの対策も兼ねていたため、長い距離をゆっくりと。ペースは6分かからないくらい、2時間前後かけて。
③10kmジョギング(5’00/km)
週間スケジュールとしては、
【水曜日】①スピード系
【日曜日】②持久力系
この2つのポイント練習を軸として、その他の走れる日については、③10kmジョギングで体を動かすというルーティーンとしていました。
当時は、③10kmジョギングをキロ5分のペースとしていましたが、もっとゆっくりでも構わないと思います。(私自身、当時より走力が上がりましたが、普段のジョギングのペースは5’30″/kmくらいです)
実力試しとして
前述のVDOT表を参考にしていただきながら、80分切り達成に向けた練習の過程として、3000mや5000mのタイムトライアルに挑戦してみると良いです。
例えば、目標とするハーフマラソンの大会の2ヶ月前に、3000mで10分を切るような走力が伴っているのであれば、80分切りを達成するための「スピード」は十分に備わっているとも考えられるでしょう。
そして、残りの2ヶ月の練習を、「持久力」の強化に向けた練習にシフトしていく、というのも、80分切り達成に向けた練習戦略として有意義なことだと考えています。
まとめ
以上、私の体験談に基づいて書き出してみました。
途中に記述した通り、目標タイムの達成のためには、現在位置の確認と、そこを基準とした練習の組み立てが非常に重要だと思います。
効率よく、無駄なく、目標タイムを達成するためにも、まずは自己分析から取り組んでみましょう!
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