【練習】時短で結果にコミット!(上級・VDOT編)

ハーフマラソン、フルマラソン、楽しみ方は人それぞれですが、私が走ることの面白さに目覚めたきっかけは、「努力の結果がタイムに反映される」ということです。

仕事やプライベートとの両立も果たしながら、いかに効率良く練習を行い、自己記録の更新、目標達成に繋げて行くか。私の経験談を交えて、「VDOT」を軸とした練習の設定方法を記載していきます。

※以下、個人の認識、また活用方法として紹介させていただきます。必要な情報、不要な情報、ご自身で取捨選択していただき、ご参考いただければ幸いです。

VDOT表=レシピ本

「VDOT」自体の説明は行いませんので、気になる方は個別に調べてみてください。私みたいに、詳しいことはわからなくても、説明できなくても、練習スケジュールの作成には大きく差し支えありません。

私は、VDOT表は料理でいう所のレシピ本と認識しています

目標とする料理(タイム)を一度も作ったことが無いのに、材料(基準)もプロセス(練習方法)もわからなければ、完成させられるはずがありません。

このVDOT表を基にした考え方の良い所は、様々な観点から自身に不足している力を考察することができる点にあると考えています。効率の良い練習設定で自己記録の更新!

いざ、練習メニューの設定!

ここでは、以下の条件で練習メニューの設定に取り組んでみます。他の目標タイムがある方も、こちらをお目通しいただき、参考にしていただければと思います。

(参考条件)
☑︎フルマラソンで3時間30分切りを目標
☑︎レースは6ヶ月後
☑︎直近半年以内の持ちタイム(フル:3時間40分、ハーフ:1時間50分)

☑︎練習できるのは週に3回、1日1時間程度、週末はもう少し時間が取れる

手順① 現時点のVDOTレベルを知る

まずは練習設定の基となる、自身の現状のVDOTレベルを探します。以下は、VDOT表の一部を抽出した表です。現状のハーフマラソンの持ちタイム(1時間50分)に一番近いVDOTレベルが「40」、フルマラソンの持ちタイム(3時間40分)に近い値が「42」ですね。

一方で、半年後のフルマラソンで目標とする3時間30分切りのVDOTレベルは「45」。

そうです、現在の自身のVDOTレベルは「40〜42」ですが、「45」まで上げて行きたいのです。

よくわからないけど、まだまだ頑張らなければいけない様な気がする・・・?

なお、まだレースに参加されたことの無い方や、直近のレース経験が無い方は、5kmや10kmのタイムトライアルの数値を参考にしていただければと思います。

手順② 自身の練習レベルを知る

先に余談を挟みますが、走りはじめた当初の私のように、「毎日がタイムトライアル!」でも一定の成果には繋がると思います。

しかし、少ない時間を使って効率的にレベルアップするためには、それぞれに目的を持った練習が必要不可欠です。(量より質!

さて、先にVDOTレベルを知った所ですが、VDOTの考え方においては、それぞれのレベルに応じた練習強度が予め設定されているのです。更にこの練習強度は、身体に無理なく、オーバーペースでもなくの設定とされており、これこそが料理のレシピ本と例える所以。まずは、現状の練習強度を調べてみましょう。

自身のVDOTレベルが「40〜42」ということは、現状の「Eペース」が6分5秒〜6分19秒。。。

ふむふむ、まるでわからん!

まずはそれぞれのペースについて、ざっくりと以下のとおり説明いたします。

Eペース(easy pace)

比較的楽なペースで、長時間そのペースで余裕を持って走ることができるペース。

「easy」の「E」ではありますが、個人的には、決して簡単なペースでは無く、ある程度集中して走る必要があるペースです。

Eペースを使った練習としては、「20kmから35km程度のロング走」が有効的と考えています。

Tペース(threshold pace)

身体に大きな負荷がかかり、早く走るのを止めてしまいたいと思うペース

一方で、しっかり体調を整えて挑めば1時間は走り切れるペース。上の表と下の表を見比べてもらえれば、1時間に近い10kmより少し遅いペースであることがわかると思います。

Tペースを使った練習としては、「20分間走(閾値走)」が代表的です。

Iペース(interval pace)

1kmのタイムトライアルをする様な、全力疾走に近いペース。個人的には、1kmのタイムトライアルの80%〜90%と感じるペースです。

Iペースを使った練習としては、「1km×5本のインターバルトレーニング」が代表的です。

本当にざっくりとした説明に留めています。「習うより慣れろ」方針でサクサク進めます。

手順③ 練習スケジュールを組んでみる

では実際に、フルマラソン3時間30分切りに向けた練習スケジュールを組んでいきましょう!

現状のまとめとして、目標達成したいレースまでは6ヶ月、そして現在の自身のVDOTレベルは「40〜42」ですが、これを「45」まで上げることを目標に取り組んでいきたいと考えます。

また、ハーフのVDOT数値の方が低いことから、私個人としては、「持久力」よりも「スピード」を鍛えていく必要性が高いと判断します。

2週間のスケジュール案(大会6ヶ月前)

①水曜日:1km×5本(目安:4’42/km)
①金曜日:ジョギング1時間程度(距離・ペース不問)
①日曜日:Eペース走90分(目安:15km, 6’00/km)

②水曜日:20分走(目安:3940m, 5’05/km)
②金曜日:ジョギング1時間程度(距離・ペース不問)
②日曜日:Eペース走90分(目安:15km, 6’00/km)

■解説
参考条件として、「1週間に3日ほど練習可能」としていました。この場合、1週間のうち1日は「スピードを養う練習」、1日は「持久力を養う練習」を取り入れたいと考えます。

1週目と2週目の内容はほとんど同じですが、水曜日の「スピードを養う練習」だけ内容を変えています。

また、「大会まであと6ヶ月」の期間があるということで、そこまで負荷の強い設定にはしていません。

・スピードを養う練習→VDOT40の数値を参照
・持久力を養う練習→VDOT 42の数値を参照

金曜日のジョギングはEペース(6’05/km)より遅いペース、気持ちの良いペースで走りましょう。どれだけ気分が乗っていても、Eペースよりは速くならないように。

効率的にタイムを上げていくためには、練習にメリハリが必要だと感じています。ジョギングはジョギングとして、フォームの確認をしながら余裕を持って走りましょう。また、前々日の負荷の高い練習をリセットして、週末のEペース走のための繋ぎの練習としての意識を持っていただければと思います。

以後のスケジュールの組み立て方

以後のスケジュールについては、こなしてきた練習の結果によって臨機応変に変更していきます。

例えば、1kmのインターバル走で目安としていた(4’42/km)を余裕を持ってこなせていたのであれば、VDOTレベルを1つ、2つ上げていきましょう

この中で意識していきたい点は、大会まではあと6ヶ月ですが、その直前には1kmのインターバル走を(4’16/km)でこなすことを一つの目標としたいです。(このスピードは、VDOTレベル45の「Iペース」となります

練習のスケジューリング、実行、そして確認の上で改善、を繰り返していくことで、より質の高い練習を積むことができます。

おまけ

既に多くのサイトでVDOT表は掲載されていますが、個人的に気に入った物がなかったので、自分で作ってみました。下記ページに掲載していますので、お気に召しましたらご活用ください。ちなみに私はVDOT表のPDFファイルをお気に入りページに登録していつでも見ることができるようにしています!(いつまで経っても覚えられない。。。)