【レースレビュー】みかた残酷マラソン全国大会

「残酷マラソン」とは?

大会名称がインパクト抜群な「みかた残酷マラソン全国大会」。

コロナの影響もあり延期が続いていましたが、令和4年6月12日に第28回大会として開催されました。

私自身、4年ぶり2度目の参加をしてきましたので、つらつらと振り返ってみます。


残酷マラソンは、なにゆえ残酷か?

「全長24kmのコースの中に、400mの登りと200mの登りが配置されている」。


シンプルな部分で言うとこの点につきますが、個人的には「下り勾配がキツいにも関わらず、コース取りがエグい」。

高低図でいう赤枠の箇所が、おおよそ13〜16km地点で、コース図は以下の通り。


登りの時よりもキツいのではないかと思う勾配を、全速力で駆け降りながら、90度旋回、180度旋回もザラ。

「走る」と言うよりは「落ちる」と言う感覚でも言い過ぎではない中で、体をどの様にコントロールしていくか。

そして、その後に再び訪れる、200mの登りをいかにして攻略するか。

走っている時は頭が回りませんでしたが、文字起こしをしてみると、改めて戦略的な面でも走りがいのあるコースだなと。

今回の目標

24kmのクセ強コースと言うこともあり、今回のレースはズバり「入賞狙い」。

今までのマラソン大会は目標タイムを決めた「自分との戦い」が全てでしたが、今年からはこういったレースも楽しんでいきたいなと考えています。


余談ですが、今大会は、2021年7月にエントリー。

当時、金沢マラソンにエントリーしていましたが抽選で落選し、10/31の同日に開催予定であった本大会に走る予定としていました。

その後、金沢マラソンの追加抽選に当選したことから、金沢マラソンへの出走を決定、逆に残酷マラソンはコロナの影響で翌年に延期となったため、結果、金沢マラソンと残酷マラソンのいずれにも参加できたと言うレアケース。

なお、金沢マラソンは2021年よりエリート枠が新設され、2時間30分以内の持ちタイムを持つランナーは抽選なしで出走することができていたこともあり、残酷マラソンよりも金沢マラソンを優先したエリートランナーが多いだろうとの見立てから、思い切った入賞宣言をするに至りました。

とは言いつつ、入賞の定義を調べていなかった所が私のゆるい所。

全体で6位以内、ワンチャン3位以内に入って、翌年の招待選手枠を勝ち取りたいなと言う所存のもとでいざスタート。

スタートから6km


スタートから3km過ぎの折り返し地点までは、気持ちの良い降り勾配。

上位入賞を意気込んでスタートするも、スタートしてから1kmで100m以上、一気に差を付けられる。

私でも入りが3’09だったので、先頭は下手すると2’50くらい?

この後の残酷なコースに備えるためにも、無理は禁物と、マイペースに走ることを決めました。

中途半端な位置での単独走が続きましたが、前方にランナーが見える位置でしたので、精神的には良い状態でレースを進めることができました。

この時点で、全体8位くらいの位置取り。

6kmから12km


やってきました、メインイベント。

約5kmの間に400mを駆け上る。

いや、駆け上ると言う表現はおおよそ不適切。

感覚としては、ジョグですらない。

4年前に初めて参加した時のキツさを覚えていたつもりではありましたが、改めて走ってみると、想像の5倍は辛かった。

如何せん、この後の2回目の登りが怖いと言うイメージがあったので、無理だけはしない様に。

ここで前方に、先日Youtube活動を中止されたクロロさんを発見。

クロロさんは前回大会(2019年)で総合2位、今回は招待選手として参戦されており、スタート前とフィニッシュ後にもお話しさせていただくことができました。

誠に勝手ながらライバル視させていただいており、本日もできれば勝たせていただきたい所存。

動きが鈍い様にお見受けしたのでここで颯爽とクロロさんを追い抜くものの、私自身もそこまで速いといった訳ではなく、結局山頂に到着するまでには、別の1人のランナーに追い抜かれてしまいました。

一番ラップタイムが遅かった区間で5’15。

この時点で、全体8位くらいの位置どり。

12kmから20km


そしてここから、冒頭で述べた急激なダウンヒル。

スピードを出す・出さないとかではなく、抑えるのに必死。

「走る」ではなく「落ちる」。

気を抜いたらスピードを抑えきれず、コースアウト、崖から転落してしまいそうなコース。

私は太ももに大きな負担がかかりしんどいなーと感じていましたが、ゴール後、知人の話を聞くと、お尻に多大な負担がかかっていたとのことで、走り方は人それぞれなのかなと。

下りの走り方の正解はわかりませんが、こと残酷マラソンで下りの正解を求めるのは少し違うかなと言う気も。。。

この区間、クロロさんに颯爽と抜き返され、全く付くことができずに、全体9位くらいの位置どり。

16kmから20km


ここからが本当の残酷。

登り、そして下りで使い切った脚を再びイジメ倒す200mの登り。

中盤15km地点で、ある程度完走までのペース配分、算段を立てていたつもりではありましたが、いざ本格的な登りに差し掛かると、脚が全く動かない。

17km手前、たまらず一度立ち止まって20秒ほどストレッチ。

押したらすぐに倒れてしまいそうなフラフラな走りだったかと思いますが、それでもなんとか少しずつ走る。

18km過ぎ、いよいよ最後の登りが終了。

前に3人ほどは見えている。

順位にこだわると決めた以上、少しでも拾って行きたい。

この区間、抜きつ抜かれつがあり、全体9位くらいの位置どり。

20kmからフィニッシュ


2つの大きなアップダウンを終え、あとはゴールまで一直線。

と行かない所が、残酷たる所以。

絶妙なアップダウンが続き、ラストスパートを許してくれません。

しかし、これまでのコースに比べて走りやすいことは間違いない。

少しでも順位を上げるため、もう一段ギアをあげます。

とは言っても、このレベルのランナーの方々であれば、考えることは皆同じ。

前に少し見えているくらいの差を埋め切る事はできませんでした。

21km地点ほどで1人、そしてゴール手前で1人をなんとか抜き、全体7位でゴール。


順位:総合7位、年代別5位(30代男子)

まとめ


ここ最近、フルマラソンの翌日でもあまり筋肉痛はなく、普通にジョグができていましたが、残酷マラソンの翌日はひどい筋肉痛を迎えることとなりました。

こんなにハードな大会に、なぜ多くのランナーが集まるのか?

具体的な数字を並べると、住民が1,800名ほどの地域に2,500名以上のランナーが集まったこの大会。

開催地域である兵庫県からの参加が多いですが、北海道や九州からの参加もちらほら。

そして何よりも、リピート率が高いのがこの大会の特徴です。

確かにコースはキツく大変ですが、地元の高校生、そして近隣住民の方の協力が力強く、町をあげて応援していただけることが強く感じられ、凄く嬉しいという点が最も魅力的なのかなと感じます。

この大会を経験しておけば、一般のレースで体験する坂も楽に感じてしまう事、間違いなし?

ぜひ一度、兵庫県まで「残酷」を味わいにお越しください!